介護士に求められる役割が多様化する中で、活躍の場を広げるためには積極的なスキルアップが重要です。今回は、介護士の役割と介護の仕事に関係する資格について紹介します。キャリアアップを目指し、将来に向けた前向きな取り組みをはじめてみるのはいかがでしょうか。

介護士の仕事とは

介護士とは、介護に関わる仕事に従事する人たちの総称です。
狭義では、介護福祉士資格を取得したうえで心身の障害を持つ方の支援をする人たちを指すこともあります。利用者の生活がより充実したものになるように、福祉サービスを提供することが主な役割です。
身の回りの世話をするだけでなく、介護が必要な方に対する生活全般を支援していく仕事です。
必要に応じて医療関係者や公的機関の担当者と連携をとり、地域の一因として快適に生活できるようにサポートします。

介護における支援とは、支援を受ける人が自立した生活ができるようにサポートしていくことを指します。全てを代わりに行うあり方ではなく、自立を前提としたサポートが求められる仕事です。
必要に応じてご家族の心のサポートも行い、介護負担を軽減します。介護する側と受ける側と明確に線引きするのではなく、常に相手の立場に立って誠実に考える職業倫理が求められる仕事です。
時代に応じた身の振り方やサポートを実践していく責任も生じて、書籍やセミナー参加など自主的な取り組みが求められます。
社会福祉や介護に関する時代の流れに対するアンテナを常に高く維持して、知識向上やスキルアップに励む努力が重要です。

介護の資格

介護職員初任者研修

介護の仕事に就くうえでまず取得するべき資格です。(旧ヘルパー2級相当の資格)介護の基本を学び、介護職員として働くうえで必要な知識と技術を身につけます。また、介護の知識を理念から学ぶことができるため、その人自身を尊重するなど介護を必要とされている方への接し方がわかります。国家資格の介護福祉士とは違って、比較的挑戦しやすい入門資格とも言われています。

実務者研修

介護職員初任者研修からランクアップした内容で、介護福祉士国家試験の受験に必須条件となる研修です。高い介護技術と知識を身につけることができ、認知症についても学べます。修了することでサービス提供責任者として活躍することができます。

介護福祉士

介護福祉士は、社会福祉士及び介護福祉士法を根拠とする国家資格です。
介護を必要とする方々の食事や排せつ、入浴の介助を行い、暮らしを支えます。
また、利用者や家族に対して自立支援に向けた介護技術など助言を行うところも介護福祉士の特徴の一つです。そのため、日々スキルアップを意識し、自ら知識や技術の向上に努めることが必要になります。

ケアマネジャー(介護支援専門員)

介護保険制度に基づいてケアマネジメントを行うための資格。
介護や支援を必要とする方が介護保険制度を利用して自立した生活を送れるようサポートします。ケアプランの作成、関係施設や医療機関との調整などの責任ある仕事を任される重要な専門職であり、介護のスペシャリストです。
介護職員初任者研修から介護福祉士、最終的にはケアマネージャーと順を追ってキャリアアップ、仕事の幅を広げていく流れがいいでしょう。

その他の資格

個別領域で役立つ専門資格もあります。
視覚障害を持つ方に対する方の支援をとくに学びたいと考えるなら、

  • 同行援護従業者養成研修
  • 移動介護従事者(ガイドヘルパー)

健康維持や生き甲斐サポートを重視するなら、

  • 介護予防運動指導員
  • レクリエーション介護士

筋力向上トレーニングや高齢者が楽しく参加できるプログラムを通して、心と身体の健康をサポートします。

まとめ

介護の仕事に役立つ資格には数えきれないくらいの選択肢があって、関心度合いに応じたステップアップができるシステムです。
休日や仕事終わりの時間を有効活用するためにも、自主的なスキルアップを考えてみましょう。集合研修やセミナーに参加、同じ志を持った職業人と交流するのもモチベーションをあげる手段です。
介護士のスキルアップが利用者の満足度向上につながり、介護業界全体の活性化も後押しします。