介護保険制度では、介護サービスの利用料金の1割を利用者が負担し残りの9割については国が支払う仕組みになっています。
そのため、介護事業所で働く事務員や介護士は、介護給付費請求書及び介護給付費明細書を毎月作成して、国民健康保険団体連合会に提出しなくてはいけません。
この作業がとても煩雑であり大きな負担となっています。

介護業務の負担

介護報酬請求業務では、迅速かつ正確性が求められます。また、介護サービスの利用料金は介護保険制度によって種類ごとに単価が変わります。
サービスの実施時間や頻度、他のサービスとの組み合わせをしている方もいるため、介護保険制度の知識もある程度求められます。
要介護認定の有効期限は半年となっているため、期限切れになっていないかなどの確認も行う必要があります。
主な仕事は、毎月1回の介護報酬請求業務になりますが、これ以外にもサービス利用者への費用請求や領収書の発行、ケアマネージャーとの連絡、調整、介護用品の発注、在庫管理、監査時の書類作成、職員の勤怠管理、売上の管理、予算の作成などどれも経理全体に関わる大変重要な仕事ばかりです。
介護業務と一言で言っても様々な業務があり、これらを一度にこなさなければなりません。事業所によっては、介護士の仕事と兼任している所もあり、このような場合日々の業務はさらに多くなります。

介護ソフトが職場に与える影響

担当者に過剰な負担がかからないようにするためには、介護ソフトの導入がおすすめです。介護ソフトの導入によって、下記のような効果が期待できます。

請求業務の効率化

作業の担当者は、月末から翌月10日までの間に介護請求の手続きをしなくてはなりません。利用者の一人ひとりの予定や実績に基づき正確に請求しなくてはならず、大変手間のかかる作業になります。
また、請求書作りが遅れると入金が1か月遅れてしまうため、事業所にも大きな負担になります。
正確かつ迅速に行うのが基本ですが、ミスをしてしまうこともあります。しかし、軽微なミスでも、国保連合会から書類が返送されて作り直すことになるのです。

介護・医療連携などによるサービスの向上

今まで手書きで行っていた介護記録をタブレット端末の入力に切り替えることで、ヘルパーの介護記録作業が少なくなり手間が削減されます。
また、責任者は各ヘルパーの訪問実績をタブレット端末やパソコンでいつでもタイムリーに確認することができます。特に忙しい月末に、一度に多くの書類に目を通すのは大変ですが、日々確認することで介護記録の書類を分担することができ、状況を逐一確認できるはメリットといえるでしょう。

ヘルパー間の連携が密になる

介護を受ける方の状況は、実際に訪問先に伺い介護記録の控えを見るまで確認できません。しかし、介護請求ソフトを導入することで、いつでも確認することができるようになるため、スムーズに情報を引き継げます。

情報漏洩のリスクを減らす

タブレット端末では、利用する時間と場所を決めることが可能です。ヘルパーの訪問先、自宅、事業所の3か所のみを指定することで、利用者の個人情報や事業所、ヘルパーの情報などが外部に漏れるリスクは少なくなります。

時間に余裕が生まれる

請求業務が効率化されることによって、時間に余裕が生まれ、人件費の削減や事務員の方に現場に入ってもらうことができるようになります。また、ヘルパーさんに余裕が生まれると、より質の良いサービスの提供がしやすくなり利用者の満足度向上も期待できます。

まとめ

介護ソフトを導入することで職場にもたらす影響は、事務作業の効率化だけではありません。現場に余裕が生まれることで介護サービスの質の向上、ヘルパー同士の密な連携、情報漏洩のリスク軽減などのメリットが期待できるのです。
経営者の方は今より質の良い介護サービスを提供するためにも、介護ソフトの導入を検討してみても良いでしょう。