介護現場で多く活躍されている介護支援専門員と介護福祉士ですが、両者にはどのような違いがあるのでしょうか。それぞれの資格の違いや役割、仕事内容などについて詳しく見ていきましょう。

介護支援専門員ってなに?

介護支援専門員とは、介護福祉士やスタッフを効率よく介護に従事させるための適切なプランを作成する人のことです。ケアマネージャーという名称でも知られています。

以前は一度資格を取得すれば継続することができましたが、現在はより質の高い介護を行うことや知識と能力を維持するために更新制に改正されました。
有効期限は5年間となり、継続するためには更新の研修を受ける必要があります。
また、受験者の所有資格によっては、ケアマネージャーの受験資格に10年以上の実務経験が必要な場合もあります。

しかし、2018年から受験資格が変わりました。
変更点は、実務経験とみなされる業務の部分であり、今まで対象だった介護業務やケースワーカーが対象外になります。
実際に介護支援専門員を受験する際には、実務経験や受験資格について確認しておきましょう。

介護支援専門員と介護福祉士の違い

介護福祉士との違いを様々な点から見てみましょう。

・資格の違い

介護福祉士は福祉の3大国家資格の一つで、介護業界唯一の国家資格になります。
介護福祉士は、社会福祉及び介護福祉士法に基づく国家資格になるため、社会福祉及び、介護福祉士法の規定を守りこれらを遵守していかなければいけません。

介護支援専門員も国家資格と思っている方が多いのですが、介護支援専門員は都道府県が実施する試験であり、公的資格に属します。

・役割の違い

介護福祉士は、上記の規定を守っていくため、利用者に対して一人ひとりの自立を尊重しながら、その人に合う介護サービスを提供していくことが求められます。
また、介護を通じて知り得た情報を外部に漏らさないことも重要です。介護福祉士は介護において多くの役割を担うため、質の高い知識とスキルが求められているといえるでしょう。

介護支援専門員は、要介護者や要支援者からの相談に応じ、要介護者がその心身の状況にふさわしい適切な介護サービスを受けられるように市区町村・サービスの事業所などと連携を取り調整を行うという役割があります。
介護福祉士が介護に関するプランニングなどを行うことはありません。

・仕事内容の違い

介護福祉士の業務は、主に現場で実際に行う介護業務(身体介助・生活の援助)です。これに対して、介護支援専門員は利用者宅に訪問して行う介護サービスの相談業務や、事務所内でのデスクワークが主な業務になります。

・勤務形態の違い

介護支援専門員に、夜勤や残業はほとんどなく、日曜日や祝日は休みになることが多いです。一方、介護福祉士は夜勤があります。
また、24時間介護を必要としている人もいるため、勤務は不規則になりがちです。日曜日や祝日も交代制で勤務することが多くあります。

まとめ

日本は、急速に高齢化が進み核家族の増加や生涯独身率も高まっていることから、昔のように各家庭で介護をするのが難しくなっています。そのため、今後も介護福祉士や介護支援専門員の需要は高く、ますます活躍の場は広がっていくことが予想されます。

しかし、利用者のニーズが多様化するなか、業務の過酷さや給料の安さなどが懸念され介護の業界では人手不足の状況が続いています。
これからは、各事業所もITなどを積極的に取り入れながら、いかにして介護業務に付く人の仕事量を軽減していくかが大きなカギになります。
煩雑な介護業務が少なくなれば、スタッフの負担が減りより質の高い介護サービスを提供することができるようになるでしょう。