介護の現場では人手不足ゆえに業務がハードになり、離職率が高くなっています。人手不足から介護業界全体における業績の不振が深刻な問題となっています。このような問題に対して改善策はあるのでしょうか。問題点と改善策について見てみましょう。

介護経営における問題点

介護経営における問題点として、人手不足と利益面の問題があります。

人手不足の問題

介護職が敬遠される理由としては、いくつかの理由があります。そのなかでも、よく知られているのが賃金の低さです。賃金で見ると平均月収は約22万円ですが、これには月に数回の夜勤なども含まれています。夜勤のないデイサービスなどでは、賃金はさらに低くなります。

また、労働の過酷さもあげられます。介護職は、高齢者の身体的お世話をする機会が多く、非常に体力を使う仕事です。例えば、高齢者を入浴させたり、抱えて移動したりするため足腰に負担がかかり、腰痛になる職員も多くいます。このように賃金が低いうえに仕事が過酷となると人員を確保するのが困難になるのは当然でしょう。

利益面の問題

2015年介護事業所の倒産件数は過去最多になりました。この背景には人手不足や経営難で施設を閉じることになった多くの介護事業所の存在があります。介護事業所は、人材を確保するためにハローワークだけでなく、求人広告や紹介会社などにも広告宣伝費を支払っています。

また、やっと人材が確保できても給料が安いなど待遇が悪いと人材は辞めていきます。人材を維持するために、介護事業所は給与(人件費)を上げなくてはならなくなります。このようにして、広告宣伝費や人件費が高騰していき経営が悪化していくのです。

問題点解消のために

それでは、上記の問題点を解決するためにはどうしたら良いのでしょうか。人件費と作業の効率化、人手不足を解決する方法のひとつとして、「介護ソフト(システム)の導入」があります。

介護ソフトとは、介護事業所における介護の記録や国保連合会への請求など煩雑な事務的作業を一括して支援してくれるソフトウエアのことです。
事務作業をIT化することで、介護者の負担を減らし、より効率的に仕事が行えるようになります。また、これらのソフトには、国保連合会へのレセプト業務や介護サービス利用者への請求業務、介護スタッフの給与計算など様々な便利機能が付いているものも多く販売されています。

・導入するメリット
介護ソフトを導入するメリットは、業務効率が格段に上がることがあります。一度パソコンに入力した介護記録やデイサービスの記録などは、連絡帳へ自動で転記されるため、同じ記録を複数個所へ記録する手間がありません。

介護事業所は、国保連合会に毎月1回介護サービスを利用した者の請求書を作成して送付しなくてはいけません。その際には、利用者全員の請求書の作成、金額の間違いがないか、利用者証の有効期限切れはないか、介護サービスに間違いがないかなど非常に煩雑な事務作業が必要になります。

もし、間違いがあれば再度手続きをしなければいけないですし、締め切り日までに間に合わなかった場合は、入金が1か月先になってしまいます。このような煩雑な作業を効率化することで、そこに関わる人手不足や人件費の問題が解決でき、最終的には利益面の問題の解決にもつながるでしょう。

まとめ

今後も日本は急速に高齢化社会が進んでいくことが予想されます。介護事業所は現在介護現場で起こっている様々な問題について、早急に何らかの策を講じないといけません。

その手助けとなるのが介護ソフトです。まずは、試用期間といったサービスを利用しながら実際に従業員が使ってみて、導入を検討してみてみるのが良いでしょう。