介護士にも適性がある

どのような仕事にも、人によって向き・不向きがあり、就職するにあたって、自分は果たしてその仕事に適性があるのかどうかを見極める必要があります。高齢化が進んでいる現在、全国的に介護士の需要が高まっています。
介護の募集は比較的どの地域でも多く出ているため、仕事を見つけるのは簡単かもしれません。しかし適性がなければ、せっかく就職しても仕事についていけずにすぐ離職という結果にもなりかねません。そこでここでは、介護士になるにあたって必要なことをいくつか紹介していきます。

介護士に求められること

介護士の仕事は、大きく4つに分けられます。
まず、食事や排せつ、入浴などをする場合の介助をする身体介護、食事の準備や洗濯などの生活援助、家族が普段介護している場合にはアドバイスや相談に乗る業務、要介護者が孤立しないようにサークル活動への参加を呼び掛ける社会活動支援の4つです。

介護士は要介護者を相手にした仕事です。そこで信頼関係を構築するための人間力が求められます。そのために大事なことは、相手を一人の人間として敬意を払うことです。
高齢者の中には自分でほとんど何もできない人もいますし、認知症になっている方もいるでしょう。そうなると見下したり、人間扱いしなかったりする人も出てくるかもしれません。
しかし相手の尊厳を決して傷つけることなくケアをしなければ、信頼関係を構築することはできないでしょう。

また、介護士は自分たちだけで要介護者の支援を行うわけではありません。ほかにも看護師や理学療法士、作業療法士なども一緒になってケアをしていきます。
このようなチームプレーで仕事をしていることへの認識も求められるでしょう。お互い連携して、コミュニケーションを取りながら仕事をすることが、結果的には高齢者への十分な支援につながっていきます。

効率的に支援をするコツ

介護士の仕事をしていると、介護記録の作成に手間取って仕事量が多くなったり残業が増えたりしてつらいという意見をしばしば耳にします。介護記録は、職員間で情報を共有するためにつけます。ですからお互いが求める情報を簡潔に書き留めることが大事です。
例えば5W1Hを意識して作成する、自分の主観と客観的な事実を混同するような書き方を控える、誰でもわかるような平易な言葉を心がけることです。
その上で、自分がどのようなケア・対処を行ったのか、なぜそのような行為をしたのかを記録すれば、簡潔で手間のかからない介護記録を作成できるでしょう。

また、一つ一つ思い出して1日の仕事の終わりに記録をつけるとなると、時間がかかります。ですから介護しているときにメモ帳を持参して、気になったことや何をしたかをちょこっと書き留めておくと最後に記録をまとめるときに作成しやすくなります。

そのほかには事業所で介護ソフトを導入する方法もあります。介護ソフトを導入すれば、介護報酬請求時の明細書であるレセプトも必要な情報を入力するとコンピューターが自動的に計算してくれます。
作業の負担が軽減されますし、人間が計算するのと比較して精度も増します。よって返戻のリスクも軽減できます。

その他にも介護ソフトを導入すれば、台帳管理や介護保険に関する情報管理、利用者の状態なども管理して必要に応じて送受信ができます。一元で管理できるため、二重・三重に作成する手間も省けます。
介護ソフトを導入することで、業務効率性は飛躍的に上昇し、現場職員の負担も軽減できます。事務作業のわずらわしさから解放されるため、利用者の介護・支援業務に集中できるメリットも期待できます。

まとめ

介護職員になっても離職してしまう人は多いものです。その理由には「仕事がハードだから」ということが多くあげられます。介護ソフトを導入すれば、現場職員の負担は確実に軽減されるでしょう。そうすれば、残業なども少なくなって、職場に定着するスタッフも増えると期待できます。