昨今よく目に、耳にするようになった「生前整理」。どんなメリット・デメリットがあるのかを紐解いていきます。
「生前整理」という言葉が当たり前に使われる様になりましたが、つい数年前までは「遺品整理」という言葉を聞く場面の方が多かったでしょう。
生前整理と遺品整理の違いは、その名の通り、前者は本人がお亡くなりになる前に要らないもの、使わないものなどを処分(売る、廃棄など)する事で、後者は本人が亡くなった後にご家族の意思の下、故人の残された物を処分(売る、廃棄など)することです。
簡単に申し上げると、亡くなる前なのか亡くなった後なのかという事になります。
「生前整理」と「遺品整理」は、言葉こそ違えど意味は、近しいものです。言葉の意味を聞いた方は「そんなに変わらないなぁ」と思うかもしれませんが、実は大きな違いが出てくるのです❗️
それは「遺品整理」の大変さをお伝えすればご理解頂けると思います。その上で「生前整理」をするのか❓面倒な事は後回しに、という事で「遺品整理」にするかはお任せ致します(笑)
【遺品整理が苦労する理由】
①作業する時間が取りづらい
では想像してください。
85歳の方がお亡くなりになられたとしましょう。遺品を整理する方は誰になりますか?様々なパターンがあるかとは思いますが、50〜60代の、現役でお仕事をされており、一緒にお住まいで無いお子様が対応されるケースが多いようです。
このパターンは実家は地方、お子様は都市部だったりします。遺品整理をするために何日も休みをとり、さらに兄弟がいる方はスケジュールが調整が必要だったりします。このような事が現実的に可能でしょうか❓全員がその様な状況ではないと思いますが、是非ご自身の状況を考えてみてください。ご両親の自宅の場所、兄弟の住んでいる場所、または状況果たしてすぐに集まる事が出来るでしょうか❓
ご両親が元気なうちに、ご両親の思いを聴きながら処分するとでは、手間が雲泥の差と言えるでしょう。
②悲しい気持ちを何度も味わう事になる
故人のものを整理していると、何度も何度も元気な頃の姿や生きていた証を見る事になります。その度に残された遺族の方は、思い出さないわけにいかないでしょう。その様な状況で作業がはかどるでしょうか❓写真が出てきては「あのころ父さんは、、、」両親の趣味の物が出てくれば「これはいつから趣味としていたんだろ❓」などなど嫌でも感慨深いものになるでしょう。
あなたのご両親はどの様な状況ですか❓
さらに老人ホームや賃貸住宅などに入っている場合は大変です。とにかく遺品整理しなくてはいけない日が決まっているのです。まだ所有している不動産であるならばゆっくりもできるでしょうが、今後は所有不動産を売却し、老人ホームなどに入居されるケースが増えるかと思います。
③金銭の問題
遺品整理となると、ゴミも相当量出る事がほとんどです。ゴミの処分はもちろん無料ではありません。地方に住んでいる両親で自分たちで作業が出来ないから業者に御願いするにしても決して安い処分料にはなりません。
どちらにせよ処分費用が残された遺族に請求される事になるのです。
ではそれはご両親の残されたお金から払う❓払わない❓など悲しみに打ちひしがれている最中から話し合いや決断を迫られるのです。
今回は「遺品整理」のデメリットという形でお伝え致しましたが、これは「生前整理」のメリットとして捉えて頂いて差し支えありません。
- に関してもご両親が健在で有れば、本人達又は本人達が頼んだ業者によって行われるのでご家族はノータッチと言っていいでしょう。
- 全ての物が生前整理で処分出来る事はありませんので、遺品整理において多少は処分しなくてはいけないものもあるかとは思いますが、作業をしている後とでは雲泥の差でしょう。生前整理が行われた後で有れば、遺品整理は1日有れば多くの場合綺麗になります。
- 金銭を払うのは、健在な両親またはご家族ですが、しっかり話し合いが両親を混ぜて行われるのでスムーズにいく事でしょう。
本人が居るのと居ないのでは家族会議のギズギス感もスピード感も全く違います。
最後までお読み頂いた方は、是非ご両親が健在なうちに「生前整理」をしてもらえるように声がけなどをする様にしてみてください。
困ってしまうのは、あなた本人なのですから❗️