一般的に介護サービスといえば、通所介護(デイサービス)や通所リハビリテーションといった通いで利用するサービスだったり、訪問介護・訪問看護などのような自宅へ介護スタッフに来てもらうサービス、また特別養護老人ホームなどの施設サービスなど、実態的なサービスをイメージする方が多いかと思います。

今回は上記にあげた各サービスとは少し異なる、「利用者さんに直接触れない」サービスである「福祉用具貸与」についてご紹介していきます。

福祉用具貸与とは?

まず中身についてですが、これはその名の示す通り

「福祉用具」を「貸与」するサービス。

端的に言い換えると福祉用具のレンタルサービスです。

本来は福祉用具というと多くの種類があり、一つ一つと必要なものを買い揃えると大きな負担となってしまいます。

そんな利用者さんの負担を抑える事ができるのが福祉用具貸与です。

金額というと福祉用具それぞれで単価が異なりますが、負担額はその利用料の1割に当たる金額です。

購入すると高価な福祉用具を1割の金額で借りられるので、他のサービスと比べて少し特殊ですが、非常に便利な介護サービスと言えるかと思います。

福祉用具の種類

それでは実際に借りられる福祉用具にはどのような種類があるのでしょうか?

まずは代表的な例ですと「車いす」です。

自身で歩く事が困難な方の移動を補助する福祉用具で、よく目にする形は自走型の手でタイヤを回すタイプ。

また自ら漕ぐ事が出来ない方用の介助型。

その他、レバーで操作する電動型など多岐にわたります。

また「車いす」本体だけではなく、クッションや専用テーブルといった付属品も一緒に借りることができます。

続いて福祉用具で代表的なものと言えば「特殊寝台」

わかりやすく言えば介護ベットです。

リクライニング機能がついたベッドで、寝返り~起き上がりなどのベッド上の動作をサポートします。

こちらも「車いす」と同様に様々な付属品があり、サイドレールや専用テーブルなどを併せて借りる事が可能です。

その他に福祉用具として目にする機会が多いものといえば「歩行器」が挙げられるでしょう。

安全に野外や屋内を歩く為の福祉用具で、利用される方のお体の状態や、使う環境などによってこれも様々なタイプがあります。

ここまで挙げた福祉用具以外にも、「歩行補助杖」や「スロープ」「床ずれ防止用具」などまだまだ幅広い様々なものを借りる事ができるのです。

福祉用具貸与でよく聞くお話として

「借りるより買った方が、長期的にはお得なのでは?」といった内容です。

この疑問に関しては、明確にどちらがお得!と断言は出来ませんが、

一般的に福祉用具貸与で何か利用した場合の利用者負担額は数百~数千円。

それに対して購入の場合は数万~数十万円を全額自己負担となります。

平均的な値だと、福祉用具貸与で払い続けた金額が、その商品価格を超えるまで

約10年程はかかる計算になります。

福祉用具の場合は、利用者さんの身体状況に応じて変更が必要な場合があり、今使っているモノが来年には合わない~という事も容易に考えられます。

その点では購入よりも、貸与という形は介護度に合わせてフレキシブルに選択できる便利な介護サービスと言えるかと思います。