訪問介護事業所を経営していて、煩雑になっていく書類作成に頭を悩ませている経営者、管理者の方は是非ご覧ください。
訪問介護に限らず、介護保険を扱う事業所は作成しなくてはいけない書類が増えている一方です。
基本台帳、訪問介護計画書、モニタリング、訪問介護記録、会議の議事録、処遇改善計画書、実績報告書、出勤簿、サービス実績報告書などなど数をあげるキリがありません。
管理者、サービス提供責任者の方々は、書類を作って1日終わることもしばしばではないでしょうか?
なぜなら事業所の規模にもよりますが、サービス提供責任者の方が、就業時間の中で5割〜6割程度サービスに出ないと事業所を運営させていくのが難しいからです。
さらに10月より開始される特定処遇改善加算のための書類の準備を考えると、なかなかサービスに入れなかったりして介護をするために事務所に来ているのか、書類を作りに来ているのか?と多くの人が疑問を感じてしまっているかと思います。
そこで、大手介護事業所などが採用を進めている「介護保険請求代行」について紹介させていただきます。
実は3つの条件さえクリア出来れば、中小零細でも問題なく、「介護保険請求代行」を使って、面倒な作業を外注化することができます。
ではその条件をご紹介させて頂きます。
3つの条件
① 原本がしっかりしている
「代行」の文字通り、サービスを提供している人が、実績を入力するわけではございません。ですので誰が見ても、誰に、いつ、どのようなサービスを、どのくらい(何分)?提供したかがわかるような状態にしておかなければなりません。この内容が一目瞭然なのが「サービス提供表」になります。こちらはサービス提供月の前月末にケアマネさんから送られてくるもので、この提供表の実績部分に予定通りであれば○や✖️、数字の1などを書き、予定にはないサービスであれば追加の記入をしておけば、誰もがサービス内容を理解することが出来ますよね?
まずは提供表を原本として書き込みするようにしましょう!
ちなみに保険外(食費、家賃)などは違う書類に一目でわかるようにしておきましょう!
そうです。「介護保険請求代行」業者は、保険外も打ち込みしてくれるのです。
② クラウドの介護請求システムを利用している
クラウドの介護請求システムというと難しく聞こえるかもしれませんが、ID、パスワードを入力するとどのパソコンからもログイン出来るようになっているシステムの事です。
もし今利用中の介護請求システムがクラウドなのかどうなのか?分からなければ、請求明けにでもコールセンターへ連絡して聞いてみてください。即答していただけるはずです。
決まったパソコンからしかログイン出来ないものは、おそらくパソコンの中にインストールされているソフトの可能性が高いと思います。
ではなぜクラウドシステムを利用している事が条件なのか?
実際は遠隔操作で請求代行を行うことも出来ますが、事業所側はパソコンを1台空けておく必要があったり、代行している側にも多少のストレスがかかります。
クラウドであれば、請求代行してくれる会社が北海道であれ、沖縄であれ問題なくパソコンを空けておく必要なく入力が出来るのです。
③ サービス単価を上げる
えっ?なんで?と思ったかと思いますが、外注化するとなるとそれなりの費用がかかります。概算ですが、訪問介護事業所で40名程の利用者となると外注費用は、月額34,000円ほどかかります。
それを上回るサービス単価を出せれば、事務作業をしないで現場に出た方が良いという選択になります。
1時間あたり5,000円の身体介護を提供出来るようになれば事務作業に7時間(5,000円×7時間=35,000円)分を捻出可能です。
まずは、現在どのぐらいの時間が請求作業にかかっているのかを数値化し、その時間サービスにいけるとしたらどの程度の売り上げになるのかをお考えください。
万が一外注費の方が多少高くなったとしても、事業所にとってはプラスと考えられます。それはヘルパーさんは事務作業をするために来たのではなく、訪問介護をするために来ているのです。ヘルパーさんの離職の理由に「事務作業が多すぎて」という事も少なくないのです。
まとめ
目の前の費用対効果だけを経営者、管理者の方は考えるのではなく、ヘルパーさんの気持ちを察し、得意な仕事をしてもらうことが大事です。
やりたい事を責任を持ってやってもらう事で、本人のやる気は上がりますし、間違いも少なくなることは間違いありません。
「餅は餅屋」ではありませんが、専門性を事業所で磨いていくためにも訪問介護という本業に専念してみませんか?