【2023年版】介護請求ソフトのおすすめ12選!メリットや選び方についても解説
介護請求ソフトとは、介護事業者が国保連合会へ介護保険給付費を請求する業務を効率化してくれるソフトウェアのことです。介護事業者はサービスを提供した翌月の1から10日の間に請求書類を提出しなければならず、不備のない書類をスムーズに提出するために、介護請求ソフトは役立ちます。
本コラムでは、介護請求ソフトの導入メリットや選び方、おすすめ12選をご紹介いたします。これから介護請求ソフトを導入したり、既存のものから乗り換えたりしようと考える介護事業所様は、ぜひ参考にしてください。
介護請求ソフトとは
介護請求ソフトとは、介護事業者が国民健康保険団体連合会(以下、国保連)へ介護保険給付費を請求する業務を効率化してくれるソフトウェアのことです。
介護利用者が保険サービスを受けた後、介護サービスを提供した事業者は費用の9割(利用者の所得によっては8割または7割)を国保連へ、残りの1~3割を利用者へ請求します。請求した費用(介護報酬)は、サービス提供の翌々月に国保連から支払われます。
なお、国保連への請求は、翌月の1から10日の間に請求書類を提出しなければなりません。
また、仮に提出した請求書類に不備があれば返戻され、再請求しなければならなくなります。
請求書類の作成や修正の業務効率を向上するために、請求業務をデジタル化する手段として、介護請求ソフトが有用です。
また、2023年現在、国保連への介護保険請求はインターネット回線を通じて送信するのが一般的です。
こうした理由から、介護請求ソフトの導入は、すべての介護事業所におすすめできます。
介護請求ソフトと国保連伝送ソフトとの違い
介護業界で働いていれば、「国保連伝送ソフト」について見聞きする機会も多いでしょう。
介護請求ソフトとは、どう違うのでしょうか?
国保連伝送ソフトとは?
国保連伝送ソフトとは、国民健康保険中央会(以下、国保中央会)が提供しているソフトウェアで、国保連への請求情報の簡易入力と伝送通信が行えます。
電子証明書発行費用1万3,200円を含む、6万円の初期費用のみで、月額費用なしで利用できます。
ただ、一般的な介護請求ソフトが搭載しているようなため、利便性はそれほど高くはありません。対応OSもWindowsのみのため、Macを利用しているという介護事業所は、そのままでは利用できません。
国保連伝送ソフトと介護請求ソフトは、どちらも介護保険給付費の請求に使用するソフトウェアであり、国保連伝送ソフトは介護請求ソフトの一種であるともいえます。
介護請求ソフトを導入するメリット
介護請求ソフトを導入することで、主に次の2つのメリットが得られます。
請求業務を効率化できる
介護請求ソフトを利用すれば、利用者情報やサービス提供実績を入力するだけで請求書や明細書を自動的に作成することができ、請求業務を効率化できます。
また、請求書や明細書の作成や送信を自動化することで、人為的なミスを防止することもできます。請求データのチェック機能が搭載されているタイプも多く、請求ミスの早期発見と防止に役立つでしょう。
さらに、請求データの送信も自動化できるため、請求業務にかかる手間と時間を大幅に削減することが可能です。
このため、請求業務にかける人員や時間を削減でき、人件費の低減にもつながります。
介護サービスの内容・質を向上できる
介護請求ソフトの活用で、利用者情報やサービス提供実績などのデータを一元管理できるようになります。これらのデータは、介護職員がアクセスすれば、いつでも最新の状態で閲覧でき、情報共有がスムーズになります。
情報共有がスムーズになることでミスを防止でき、介護サービスの質の向上につながります。
また、介護請求ソフトに蓄積されたデータを介護職員や経営者など、さまざまな関係者に共有することで、それぞれが利用者の状況や介護サービスの質を把握しやすくなります。
これにより、介護職員は、より適切なサービスを提供できるようになり、経営者はサービスの改善や新たなサービスの開発に役立てることが可能になります。
介護請求ソフトの選び方
数ある介護請求ソフトの中から事業所に合ったものを導入するには、以下の3つのポイントから選びましょう。
機能
介護請求ソフトには、さまざまな機能やオプションが用意されています。事業所のニーズに合ったソフトを選ぶことで、より効率的に請求業務を進めることができるようになります。
多くの介護請求ソフトに共通で搭載されている「請求データ作成機能」や「請求書生成機能」「データ送信機能」などに加えて、「データ分析機能」や「スケジュール管理機能」などの高度な機能で、事業所に必要なものはオプション機能で用意されているかどうか、さらに、セキュリティ機能として「データ暗号化機能」などの有無をチェックしましょう。
費用
多くの介護請求ソフトの導入には、初期費用と月額費用がかかります。具体的な費用は、介護請求ソフトによって大きく異なりますが、大体、初期費用は数万円から数十万円、月額利用料は数千円から数万円程度です。
介護請求ソフトを選ぶ際には、自社の予算に合わせて費用を比較し、予算内に収まるかどうかを確認しましょう。
導入後のサポートサービスが費用に含まれているか、それとも別途かかるのかも併せてチェックしておくと安心です。
使いやすさ
介護請求ソフトは、介護事業者が日々の請求業務で利用するものですので、使いやすさも確認しておく必要があります。使いにくいソフトでは、業務効率が低下したり、ミスを招いたりする可能性があるためです。
具体的には、画面のレイアウトやメニュー構成がわかりやすく、直感的に操作できるものを選ぶと良いでしょう。
事業所の請求業務担当者のITリテラシーに合わせることも大切です。無料トライアルなどを利用して、請求業務担当者の手で実際にソフトを試してみて、使い勝手を確認することが重要です。
介護請求ソフトのおすすめ12選
最後に、さまざまな介護請求ソフトの中からおすすめ12選をご紹介いたします。
SuisuiRemon(スイスイレモン)
https://suisuiremon.com/
SuisuiRemon(スイスイレモン)は、介護関連システムの開発などを手がけるセントワークス株式会社が提供する介護請求ソフトです。全国に複数の事業所やサービスを展開する介護事業者が監修。
約5万人の利用者様に対し、回収率は99%と高い実績を持ち、請求回収業務の負担を軽減してくれることが伝わってきます。
たとえば、回収金・未回収金の管理では、サービス提供月と報告月の2次元で数値を管理。正確な月次売上・入金・売掛金の管理を可能にしています。
また、請求データの管理では、月々の売掛金管理をシステム内で運用することで、正確な口座振替請求データを作成できるようになります。これにより、手入力による請求データ作成のミスや作業時間を大幅に削減できます。
サポート体制も手厚く、電話・FAX・メールで対応。また、よくある質問や便利機能、法改正情報といったタイムリーな話題を集めた「Suisui通信」を毎月発行しています。
「けあピアノート」や「Care-wing(ケアウイング) 介護の翼」といった外部システムとの連携も可能です。
費用は、要問い合わせ。
カイポケ
https://ads.kaipoke.biz/
カイポケは、ヘルスケアや医療、介護分野のビジネスを手がける株式会社エス・エム・エスが提供する介護請求ソフトで、在宅介護支援向け、通所サービス向け、訪問サービス向け、その他居宅介護サービス向け、サ高住・有料老人ホームなどの住まい向けの各ソフトが提供されています。
介護請求機能としては、利用者ごとの利用回数や入浴・食事サービスの提供回数、健康チェック(バイタルチェック)などの結果を、介護ソフト内の入力画面へ入力すると、請求データを自動的に作成する機能が備わっています。
請求機能のほかにも、介護記録機能や財務・会計機能、人事・労務機能などが搭載されています。
費用は、初期費用無料、月額費用はサービス種類別で異なり、居宅療養管理指導で1,000円(税抜)、居宅介護支援事業所で5,000円(税抜)。
最大36ヵ月間の無料期間が設けられています。
ワイズマン
https://www.wiseman.co.jp/welfare/
岩手県に本社を置く株式会社ワイズマンは、居宅介護支援サービス、施設サービスなど、介護の提供形態ごとに細かく分けてサービスを展開しています。介護サービス事業所における導入実績は、6万1,200事業所超と業界トップクラスです。
ワイズマンの介護事業者向けソリューションの請求機能では、利用者情報やサービス提供実績の入力、請求書・明細書の作成、請求データの送信を自動化できたり、施設系と居宅系などさまざまな介護サービスのデータを一元管理できたりします。
料金体系は、設定料と導入支援費、操作説明料を合算した初期費用に、運用費用として「5年間使用権パック」を合わせたかたちとなり、具体的な金額は問い合わせが必要です。
ほのぼのNEXT
https://www.ndsoft.jp/product/next/
ほのぼのNEXTは、山形県に本社を置くNDソフトウェア株式会社が企画・開発・販売および運用サポートを手がける介護請求ソフトです。
導入実績は、7万2,400事業所以上。こちらも、施設サービス、居宅介護支援など介護の提供形態ごとにサービスが提供されています。
外部システムの連携先が40種類以上と豊富で、業界トップクラスの連携数を誇ります。
利用者別に基本情報や介護状態、サービス提供実績などを入力しておくことで、請求書・明細書の自動作成や国保連への請求データの送信が可能になります。
費用は、要問い合わせ。
まもる君クラウド
https://kaigo.intertrust.jp/
まもる君クラウドは、神奈川県に本社を置くシステム開発会社である株式会社インタートラストが提供する介護請求ソフトです。
請求金額から、国保連に提出する給付費請求書・明細書、利用者負担金の請求書が自動で作成されワンタッチで国保連へのインターネット伝送が可能です。
また、入力値のチェック機能や入力補助機能など、誤入力を防止する機能が充実している点も特徴の一つです。国保連の最新規定にも対応。
費用は、完全月額定額制で、初期費用無料、月額5,800円(税抜)から(事業所の形態によって異なります)。サポート費用やバージョンアップ費用などは不要です。
60日間の無料体験が用意されています。
CAREKARTE(ケアカルテ)
https://www.carekarte.jp/carekarteabout/
CAREKARTE(ケアカルテ)は、静岡県に本社を置くシステム開発会社である株式会社ケアコネクトジャパンが提供する介護請求ソフトです。
記録と請求が連動しているため、記録を入力するだけで請求データが自動的に作成されます。これにより、請求業務の効率化とミスの防止につながります。ミス防止に関しては、入力補助機能も搭載されており、誤入力を防止でき、さらに、入力値のチェック機能により、入力ミスがないかを簡単に確認できます。
また、利用者ごとの請求状況を簡単に確認できます。これにより、請求漏れや請求間違いを防止できます。
医事会計システムや給与計算システムなど、さまざまなシステムとの連携も可能です。
料金体系は、初期費用と年額保守費用を合算したかたちとなり、具体的な金額は要問い合わせ。
30日間の無料体験が用意されています。
トリケアトプス
https://www.tricare.jp/
トリケアトプスは、愛知県名古屋市に本社を置くシステム開発会社である岡谷システム株式会社が提供するクラウド型(ASP・SaaS)の介護請求ソフトです。
利用者情報とサービス利用実績を入力することで、請求金額を自動計算し、国保連に提出する給付費請求書・明細書、利用者負担金の請求書が作成されます。
さらに、国保連伝送サービス「おくる君」を利用することで、ワンタッチで国保連へのインターネット伝送を行うことができます。
セキュリティ対策にも力を入れており、送信データが暗号化されるほか、「ASP・SaaSの安全・信頼性に係る情報開示認定制度」の認定を受けています。プライバシーマークも取得済み。
利用料金は、業界最安値をうたっており、初期費用無料、月額費用は220円(税込)×利用人数から(介護サービスの提供形態により異なる)。上限が決まっているため、利用者の人数が多い事業所も安心して利用できます。
介舟(かいしゅう)ファミリー
https://kaisyuf.jp/
介舟(かいしゅう)ファミリーは、神奈川県横浜市に本社を置くシステム開発会社である株式会社日本コンピュータコンサルタントが提供するクラウド型の介護請求ソフトです。
在宅介護支援向け、通所サービス向け、訪問サービス向けなど、介護サービスの提供形態に合わせた各ソフトが用意されています。販売実績は25年以上、導入実績は約6,000事業所を誇ります。
介護請求機能では、計画・実績を提供票イメージで管理できたり、実績を入力することで、国保連や個人負担分の請求データを作成することができたりします。通常の提出だけでなく、返戻や月遅れなどの提出履歴も確認可能です。
費用は、要問い合わせ。
14日間の無料体験が用意されています。
ケア樹
https://caretree.jp/
ケア樹は、宮城県仙台市に本社を置き、介護業界を中心に業務支援プラットフォームを提供する株式会社グッドツリーが開発・運用するクラウド型の介護請求ソフトです。
「Enterprise」「Pro」「Free」の3つのプランがあります。
「Enterprise」「Pro」では、インターネット伝送機能を始め、写真共有機能やシステム連携機能、専任スタッフの電話サポートなどが標準機能として提供されます。料金は、要問い合わせ。
「Free」は、初期アカウント発行費用と年間事務手数料、初年度サポート費用(2年目は任意契約オプション)のみで、月額費用無料です。
なお、インターネット伝送機能、記録・請求連携機能は有償オプションとなり、それぞれ年額料金が1万3,200円(税込)、2万6,400円(税込)となっています。
ナーシングネットプラスワン
https://www.nn-kaigo.jp/
ナーシングネットプラスワンは、東京都港区に本社を置く介護ソフトの開発・販売会社である株式会社プラスワンソリューションズが提供するクラウド型の介護請求ソフトです。
介護ソフト業界のリーディングカンパニーとして、多くの介護事業所から支持されており、導入実績は6,000件。LIFEにも対応しています。
日々の記録から請求データの作成、国保連への伝送まで必要なことがソフト内で行える一気通貫型の介護ソフトとなっています。
特徴は、アセスメントやケアプランなどサービスごとの帳票が充実している点。
また、高機能でありながら低価格で利用できる点もポイントです。
初期費用無料で導入のハードルが低く、月額費用は5,000円(税抜)からで要問い合わせ。法改正対応費用やサポート費用はかかりません。
2ヵ月間の無料お試し期間が用意されています。
かんたん介護ソフト
https://www.fukushisoft.co.jp/kaigo/
かんたん介護ソフトは、就労支援サービスなどを運営する株式会社LITALICO(リタリコ)が提供する介護請求ソフトです。
請求書を作成できるほか、ヘルパーさんのシフト作成や給与計算なども可能です。
操作方法などが不明な場合は、電話でのサポートサービスを利用できます。
なお、国保連への請求書の伝送は、LITALICOへ依頼の上、代行してもらうかたちを取ります。
費用は、月額費用が9,800 円(税抜)
60日間の無料お試しが用意されています。
楽すけ
https://www.nippku.com/rakusuke/
楽すけは、東京都新宿区で福祉教育やリハビリテーションなどの専門学校・専門職大学を運営する敬心学園グループのニップクケアサービス株式会社が提供する介護請求ソフトです。
訪問介護・訪問看護支援システム「Care-wing(ケアウイング)介護の翼」との連携が可能です。
強みは、「低価格」「操作性」「サポート力」の3点。
費用は、初期費用がライセンス料としてかかり、金額は契約本数やオプションソフトの必要有無によって変動するため、要問い合わせ。これに加え、サポート料が毎年、年額でかかります(金額は要問い合わせ)。
操作性は、必要な機能だけを搭載したシンプルな画面設計で迷うことが少なく、初めて利用する方でも簡単に使いこなせるでしょう。入力補助機能や自動計算機能も充実しています。
サポートでは、電話や遠隔操作による対応を行っています。
無料体験版が用意されており、個人情報不要でダウンロードして試すことができます。
まとめ
介護請求ソフトとは、介護提供者が利用者に提供した介護サービスを記録し、それに基づいて医療保険などの機関に対して請求を行うためのソフトウェアです。介護サービスの提供、記録、請求、報告など、さまざまな業務プロセスを効率的に管理するのに役立ちます。
また、デジタル化と自動化により、ヒューマンエラーを減少させ、サービスの品質向上にも寄与します。
数多くの介護請求ソフトの中から各介護事業所にあったものを導入するためには、機能、費用、使いやすさの3つの観点から選ぶことが大切です。
上で紹介したような介護請求ソフトも参考に、選定を進めましょう。