【2025年版】介護請求ソフト9選!

本コラムでは、介護請求ソフトのメリットや導入する際の注意点・選び方などをご紹介しています。これから介護請求ソフトを導入したり、既存のものから乗り換えたりしようと考える介護事業所様は、ぜひ参考にしてください。

目次

介護請求ソフトとは

介護請求ソフトは、介護事業所が介護保険サービスを提供した際に、国民健康保険団体連合会(以下、国保連)へ介護保険給付費を請求するための業務を効率化するためのツールです。介護サービスを利用した利用者は、負担割合に応じた自己負担額を直接事業所に支払い、残りの費用を事業所が国保連に請求します。この請求業務は正確な記録やデータの作成が求められ、手作業で行う場合は大きな時間的・労力的負担が伴うことが課題とされています。

介護保険制度は複雑であり、提供するサービス内容や利用者の状況、事業所の種類によって、作成すべき請求データや書類が異なります。また、請求に不備がある場合は国保連から返戻(データの差し戻し)が発生し、修正や再請求が必要となるため、さらに業務が煩雑化することもあります。このような背景から、介護事業所の多くでは、これらの業務を正確かつ効率的に行うために、介護請求ソフトの導入が進んでいます。

介護請求ソフトは、利用者の基本情報やサービスの提供実績を入力することで、国保連に提出するための請求データを自動的に作成します。また、請求書や利用明細書など必要な帳票を簡単に作成できる機能を備えており、スタッフの事務作業を大幅に軽減します。さらに、国保連への請求データの送信機能を搭載しているソフトも多く、インターネットを介して迅速にデータを伝送することが可能です。こうした機能により、業務効率の向上と請求ミスの削減が期待できます。

最近では、クラウド型の介護請求ソフトが主流となりつつあり、インターネット環境さえあれば、事業所のパソコンやタブレット、スマートフォンなどのデバイスからいつでもどこでも利用可能なものが増えています。これにより、複数の事業所を運営している法人でも一括管理が可能となり、業務の一元化が進んでいます。また、法改正や介護報酬の改定にも対応できるアップデート機能が備わっているため、常に最新の基準で請求業務を行うことができます。

介護請求ソフトと国保連伝送ソフトとの違い

介護請求ソフトと国保連伝送ソフトは、どちらも介護保険給付費の請求に使用されますが、機能や目的に違いがあります。

介護請求ソフト

利用者情報やサービス提供実績の入力、請求データの作成、エラーチェック、請求書類の自動生成など、請求業務全般をサポートする多機能なソフトウェアです。これにより、業務効率化とミスの削減が期待できます。

国保連伝送ソフト

国民健康保険中央会が提供するソフトウェアで、主に請求データの伝送を行うためのものです。電子証明書発行費用1万3,200円を含む、6万円の初期費用のみで、月額費用なしで利用できます。基本的なデータ入力と伝送機能のみを備えており、介護請求ソフトに比べて機能は限定的です。

つまり、介護請求ソフトは請求業務全般をサポートするのに対し、国保連伝送ソフトはデータの伝送に特化したシンプルなツールであると言えます。

介護請求ソフトの役割

介護請求ソフトは、介護事業者の請求業務をサポートするために、以下のような役割を果たします。

  • 売上・入金管理:
    請求業務と連動した売上・入金管理機能を提供します。利用者ごとの売上データや入金状況を一元的に把握でき、未収金や入金漏れを防止します。これにより、経理作業の効率化だけでなく、財務管理の精度が向上し、事業運営の健全性が強化されます。
  • 請求データの作成と管理:
    利用者情報やサービス提供実績を入力することで、国保連への請求に必要なデータを自動的に作成・管理します。これにより、手作業での入力ミスを防ぎ、正確な請求が可能となります。
  • 請求書類の自動生成:
    入力されたデータを基に、請求書や明細書を自動的に生成します。これにより、書類作成の手間を大幅に削減できます。
  • データ送信の効率化:
    作成した請求データを国保連へインターネット経由で送信する機能を備えており、迅速かつ確実なデータ伝送が可能です。
  • エラーチェック機能:
    請求データに不備や誤りがないかを自動的にチェックし、問題があれば通知します。これにより、返戻(請求データの差し戻し)を未然に防ぐことができます。
  • 業務効率の向上:
    これらの機能により、請求業務にかかる時間と労力を大幅に削減し、スタッフが本来の介護業務に専念できる環境を整えます。

これらの役割を通じて、介護請求ソフトは事業者の業務効率化と正確な請求業務の遂行を支援します。

介護請求ソフトを導入する上での注意点

数ある介護請求ソフトの中から事業所に合ったものを導入するうえで押さえておきたいポイントです。

自社の業務内容との適合性

提供するサービス種別や業務フローに対応しているか確認する。

操作性の確認

スタッフが使いやすいインターフェースであるか、無料トライアルなどで実際に操作して確認する。

サポート体制の充実度

導入後のサポートやトラブル対応が迅速かつ適切に行われるか確認する。

コストの把握

初期費用、月額費用、オプション料金など、総合的なコストを比較検討する。

法改正への対応

介護報酬改定などの法改正に迅速に対応できる体制が整っているか確認する。

セキュリティ対策

利用者の個人情報を扱うため、データの保護・暗号化やバックアップ体制が万全であるか確認する。

他システムとの連携

既存の業務システムや他社製ソフトウェアとの連携が可能か確認する。

導入実績と評判

同業他社での導入実績やユーザーからの評価を参考にする。

アップデートの頻度

機能改善や法改正対応のためのアップデートが定期的に行われているか確認する。

契約条件の確認

解約時の条件や違約金の有無など、契約内容を詳細に確認する。

介護請求ソフトのおすすめ9選

最後に、さまざまな介護請求ソフトの中からおすすめ9選をご紹介いたします。

SuisuiRemon(スイスイレモン)

「SuisuiRemon」は、介護業界大手のセントケア・グループが開発したクラウド型の介護請求ソフトです。
現場の管理者やスタッフの声を反映し、請求管理や債権管理、複数事業所の一括管理など、必要な機能を幅広く網羅しています。特に、約5万人の利用者を対象に回収率99%の実績を誇る入金管理機能を備え、煩雑な請求・回収フローによる請求漏れを防ぎ、回収率の向上が期待できます。
また、他社の介護記録システムとの連携により、リアルタイムでの記録共有が可能で、事務負担の軽減やヘルパーの直行直帰を支援し、働き方改革にも貢献します。さらに、200種類以上の帳票類をエクセル形式で出力でき、データの柔軟な活用や共有が可能です。
クラウドサーバー型ですので、専用ホームページにアクセスし、IDとパスワードを入力するだけで利用でき、専門知識がなくても簡単に導入・管理が可能です。充実したサポート体制も整備されており、電話、FAX・Email、リモートサポートを通じて、経験豊富なスタッフが親切・丁寧に対応します。
詳細な料金については、セントワークス株式会社に直接お問い合わせください。

URL: https://suisuiremon.com/

ほのぼのNEXT

ほのぼのNEXTは、山形県に本社を置くエヌ・デーソフトウェア株式会社が企画・開発・販売および運用サポートを手がける介護請求ソフトです。
導入実績は、7万2,400事業所以上。こちらも、施設サービス、居宅介護支援など介護の提供形態ごとにサービスが提供されています。
外部システムの連携先が40種類以上と豊富で、業界トップクラスの連携数を誇ります。
利用者別に基本情報や介護状態、サービス提供実績などを入力しておくことで、請求書・明細書の自動作成や国保連への請求データの送信が可能になります。
費用は、要問い合わせ。

URL: https://www.ndsoft.jp/product/next/

ワイズマンシステムSP

介護保険サービス全体を支援するパッケージシステムで、請求業務やケア記録の効率化を実現します。業界トップクラスの導入実績を持ち、61,200事業所以上で利用されています。
シンプルでスピーディーな操作性を追求し、スタッフの業務負担を軽減します。また、医療・介護・福祉の連携をトータルサポートし、地域包括ケアシステムの実現に向けた支援も行っています。
さらに、セキュリティと利便性を備えたASPサービスにより、事業所が増える場合でもインターネット環境があればシステム利用が可能で、バージョンアップやバックアップなどのメンテナンス作業も不要です。
具体的な料金については、公式サイトの「料金・価格について」のページをご参照ください。

URL: https://www.wiseman.co.jp/welfare/

カイポケ

「カイポケ」は、介護・看護・障害サービス事業者向けのクラウド型記録・請求ソフトです。全国で50,400事業所以上(2024年4月時点)に導入されており、豊富な機能と使いやすさで高い評価を受けています。タブレットやスマートフォンを活用した記録入力により、現場の業務効率化を実現し、記録データは自動的にソフトと連携されます。また、国保連への請求データ作成や伝送請求がボタン一つで行えるため、事務作業の負担軽減に寄与します。さらに、会計、経営管理、勤怠管理、給与計算など、経営支援機能も充実しており、事業運営を総合的にサポートします。
詳細な料金については、カイポケのサポート窓口に直接お問い合わせください。

URL: https://ads.kaipoke.biz/

カナミック クラウドサービス

介護事業所向けのクラウド型ソフトウェアで、計画書や各種帳簿の作成、実施記録、請求業務までを一元管理できる総合システムです。クラウド型のため、インターネット環境があれば場所を選ばず利用可能です。また、多職種間での情報共有を円滑にし、業務効率化とサービス品質の向上をサポートします。
詳細な料金については、直接お問い合わせください。

URL: https://www.kanamic.net/care/index.html

キャンビルネオ(ケアネットメッセンジャー)

山形県に本社を置く株式会社日本ケアコミュニケーションズが提供する全介護サービスに対応したクラウド型介護請求システムです。インターネット環境があれば、台数制限なく複数のパソコンからアクセス可能で、職員が増えても安心して利用できます。業務支援、請求・伝送、経営支援の機能を備え、介護事業の運営をトータルでサポートします。また、法改正にも完全対応しており、常に最新の制度に沿った運用が可能です。手厚いサポート体制も整っており、ヘルプデスクの応答率は90%以上と高水準を維持しています。

CAREKARTE(ケアカルテ)

「CAREKARTE」は、介護・障害福祉サービスにおける記録、プラン作成、請求業務を総合的にサポートするクラウド型ソフトウェアです。全国で約19,000事業所に導入されており、iPadやiPhoneを活用した直感的なタップ入力や、音声入力ツール「ハナスト」との連携により、現場の業務効率化を実現します。
さらに、施設オリジナルの帳票を組み込むカスタマイズにも対応し、各事業所の運用に合わせた柔軟なシステム構築が可能です。
詳細はお問い合わせください。

URL: https://www.carekarte.jp/carekarteabout/

介舟ファミリー

「介舟ファミリー」は、居宅介護支援、訪問介護、通所介護、訪問看護など、多様な介護サービスに対応したクラウド型の介護・障害福祉ソフトウェアです。クラウド対応により、インターネット環境があればどこからでもアクセス可能で、データの自動アップデートにより常に最新の状態で利用できます。介護請求機能では、計画・実績を提供票イメージで管理できたり、実績を入力することで、国保連や個人負担分の請求データを作成することができたりします。通常の提出だけでなく、返戻や月遅れなどの提出履歴も確認可能です。
詳細はお問い合わせください。

URL: https://kaisyuf.jp/

ナーシングネットプラスワン

「ナーシングネットプラスワン」は、クラウド型の介護ソフトで、令和6年度の法改正にも対応しています。インストール不要で、インターネット環境があればパソコンやスマートフォン、タブレットから利用可能です。介護ソフト業界のリーディングカンパニーとして、多くの介護事業所から支持されており、導入実績は6,000件。LIFEにも対応しています。
日々の記録から請求データの作成、国保連への伝送まで必要なことがソフト内で行える一気通貫型の介護ソフトとなっています。
特徴は、アセスメントやケアプランなどサービスごとの帳票が充実している点。
詳細はお問い合わせください。

URL: https://www.nn-kaigo.jp/

まとめ

介護請求ソフトとは、介護提供者が利用者に提供した介護サービスを記録し、それに基づいて医療保険などの機関に対して請求を行うためのソフトウェアです。介護サービスの提供、記録、請求、報告など、さまざまな業務プロセスを効率的に管理するのに役立ちます。

また、デジタル化と自動化により、ヒューマンエラーを減少させ、サービスの品質向上にも寄与します。
数多くの介護請求ソフトの中から各介護事業所にあったものを導入するためには、機能、費用、使いやすさの3つの観点から選ぶことが大切です。

上で紹介したような介護請求ソフトも参考に、選定を進めましょう。

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