介護を理由に仕事を辞める社員が増加してきています。
団塊世代の方々が70代に突入した今、今後も介護離職は
増えてくると考えられます。
介護離職を真剣に考える社員が増えてきた時、人事としては
どのようなことをアドバイスすることができるでしょうか。
介護離職すると、その社員の方の負担は減るのでしょうか。
答えはNOです。介護を理由に仕事を辞めた人の70%が
経済的・肉体的・精神的な負担が「かえって増えた」と回答しています。
(三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社『仕事と介護の両立に関する
労働者アンケート調査』による)
よくあるケースとして、介護離職をすると、現在は何とか介護に協力して
くれている兄弟姉妹や親族が、介護から身を引いていくということがあります。
そうなってしまえば介護の負担は介護離職によってむしろ大きく増えてしまう
可能性があります。
また離職しての介護は、孤立した環境の中、どうしても一人で抱え込んでしまい
悲しい話ですが虐待に陥ってしまうケースも多くあるのも事実です。
家族とよく話をしないまま介護離職をし、自分だけで介護を抱え込もうとして
かえって家族の精神的負担を増やすという問題もあります。
一方で、日々のビジネスにおいてマネジメント経験がある人のほうが
「仕事と介護の両立」に成功しているそうです。逆に言えば、介護経験は
マネジメントのトレーニングにもなるのです。
これは会社としても財産になりますし、本人のスキルアップにも
繋がってきます。
働きながら介護を行うことのメリットを社員の方に理解してもらい
介護離職について今一度考えてもらいましょう。