男性が育休を取っても出来ることは少ない、逆に迷惑になるのでは?という意見を耳にすることもあります。
産後育児や家事について、実は男性も殆ど出来ることをご案内します。
「取るだけ育休」なら取らない方がいい?
男性育休を取ってほしいという女性がいる一方、男性が育休に反対の女性もいるとか。
そうなんだ。例えば、育児休業で家にいても、家事や育児を本当に出来るのだろうか、と疑心暗鬼な方もまだ多いんだよね。妻からすると夫の世話が増えたり、家にいても何もしてくれなくてイライラが増えてしまうなら、いない方がいい、という考えになってしまうのも納得。
育児休業で休んでいるのに、家事も育児もしない男性がいるの?
ママ向けのアプリを提供しているコネヒト㈱が取ったアンケート(「パパ・ママの育児への向かい方と負担感や孤立感についての調査」2019年10月実施)では、なんと約3割が1日あたりの家事・育児時間が2時間以下だったんだ。いわゆる“取るだけ育休”だね。
え~、じゃあ本当に休んでいただけなんだね。
そう、育児休業は会社の仕事は休んで、育児や家事をして家族の生活を守るという大切期間なのだけれど、それを理解していない男性もまだいるんだね。
産後の生活を理解することが大切
そうなんだ。どうしてそんなことが起こるんだろう。
大きくは3つあるかもしれない。1つ目は、男性は親になる当事者意識を持ちづらいこと。女性は自分の体に赤ちゃんが宿って、日に日に実感が沸くけれど、男性は赤ちゃんを見るまで実感が沸きづらいよね。そして赤ちゃんは自分では何もできないから親がお世話してあげなければならないけれど、男性にはそれが実感としてわかっていないのかも。
友人の家庭もそんな感じだったかも。
2つ目は産後の女性の心身の変化を理解していないことも考えられるよ。
え?どういうこと?
女性は、出産という大仕事をして体に負担がかかっていることに加えて、産後はホルモンバランスが崩れて心身が不安定になりやすいんだ。今まですごく元気だった女性も産後はうつ気味になったり、実際にうつになる方もいるよ。そんな大変な状態なんだけれど、それを理解していないと、なんでそんなに機嫌が悪いの?と感じたり、もっと自分で出来るのでは?などと感じてしまうこともあるよね。
女性の心身の変化を知っておくことって大事だね。
そうなんだ。療養中のつもりで接してちょうどいいくらいだと思うよ。
3つと言ってたけれどまだあるの?
最後は3時間サイクルの大変さを理解しているかどうかもあると思う。
3時間サイクルなら知ってる。起きて、授乳して、おむつを替えて、寝て、また起きるまでの1サイクルが約3時間でまわっていくことだね。睡眠は1回1時間~1時間半くらいなのかな。
そう、その3時間サイクル、日中だけならいいのだけれど、24時間、休む暇なく3時間サイクルだから大変。つまり、夜もまとまって睡眠をとることが出来ないんだ。大人は赤ちゃんと一緒に毎回1時間眠れるわけでもないしね。
え~、それは大変。いつ眠ればいいの?
だから里帰り出産があったり、今は男性が育休を取って、夜を日替わりで交代したり、日中に夫が赤ちゃんのお世話をして、妻にまとまった睡眠時間をつくることが大切なんだよ。
育児・家事は男性もできる
なるほど~。ところで男性は赤ちゃんのお世話や家事は出来るの?
もちろん出来るよ。今は家事が得意な男性だってたくさんいるよね。やれば出来るけれど、やってこなかったから出来ないと感じているだけなんだ。
でもいきなり出来るようにはならないよね。
そうだね。今までやっていなかった場合は、妻に家事について教えてもらいながら、又はネットなどで調べながら自分で学んでいくといいかな。今までやっていなかったから出来ないだけで、恥ずかしいことではないし、妊娠から出産までは時間があるから、休日などに徐々に家事をやっておくと出来るようになるよ。
育児はどうなの?
育児も殆どのことが男性も出来るよ。むしろ乳児のお世話は妻だって初めて。最初から一緒にやっていけば同じように出来るようになるよ。
そうなんだ。確かに、女性だって育児は人生で初めてだものね。
そう、男性は産後に一緒にやらないからどんどん差がついてしまい、女性の育休終了後にはものすごい差になってしまっている。最初からやれば同じように出来るようになるよ。
でも授乳とかはむずかしいのでは?
確かに。男性はおっぱいはあげられないね。その分は赤ちゃんの他のお世話や家事をやって妻の負担を少なくして上げられるといいね。またミルクだったら男性もあげられるよ。そのあたりは家庭の方針があるので夫婦で相談しながら進めよう。ちなみに、搾乳機って知ってる?
え?何それ。
搾乳機は母親から母乳を絞る機会のこと。例えば搾乳機で母乳を絞って冷凍保存しておけば、男性もいつでも母乳をあげられるよね。
へ~。本当に男性に出来ないことは殆どないんだね。