男性育休の取得促進に向けて何から進めればよいかお悩みの担当者様へ
男性育休推進の課題と取り組み例をご案内します。
男性育休推進の課題
職場で男性育休を推進していきたいけれど何からはじめればいいの?
そうだね、男性育休は実は様々な課題があるから一概には言えないかも。
そうなの?例えばどんな課題があるの?
例えば、エン・ジャパン「ミドル社員へアンケート(2019年)」では、男性の育休取得率が低い理由の第1位は「社内に休暇自体を取りやすい雰囲気がない」だったよ
取りやすい雰囲気がないっていうのはどういうことなんだろう。
そこなんだ。制度がないなら制度をつくればよいのだけれど、育児休業に関する制度は、日本は世界の中でも充実している国なんだ。
制度は充実しているんだね。お金のことが心配というのもありそうだよね。
それについては、育児休業給付金が出ることに加えて社会保険料が免除になるから、それまでの約8割ほどの収入が確保されるのだけれど、それを知らない方も多いよね。
では雰囲気って何?
そうその雰囲気の正体を考えていくことが大切になるよ。
男性育休を取りづらい雰囲気と推進策の例
例えば、上司の理解とか?
そう、それも大きいと考えられるよね。男性が稼いで女性が家庭を守る、というような今までの性別役割分担の考え方があると、男性が育休なんて、とか、男性育休を取れた方が良いのはわかるけれど仕事があるのに難しいだろう、などの考えになりがちなんだ。
確かに。そして日本人は長期休暇を取得する習慣がないから1年はもちろん、1か月でも大変なことと感じるよね。
そうだね。でも様々な社会環境が変化しているので、私たちの働き方やライフスタイルも変化していくことが大切になっていくね。セミナー、研修などではそれをわかりやすく伝えているよ。そして、対象者には「おめでとう」に加えて「育休はいつからとるの?」を上司から声掛けするようにした企業や自治体では取得率が上がっているようだよ。
上司が理解を示してくれて、しかも取得を声掛けしてくれたら取りやすそうだね。
そう。そして来年からはそれが義務化されるんだ。但し、注意点としては、管理職や上司へ、「対象者が出たら声掛けするように」という通達だけで進めると、男性育休について理解のないまま義務的なものになるので、現場でコンフリクトが起こる可能性があるね。
ということは管理職への研修があった方がよさそうだね。
そうなんだ。正しい知識と理解を得るための研修がお勧めだよ。
そして実は、家族(妻)から反対意見が出ることもあるんだ。
え!そうなの?
男性が育休を取っても、育児や家事をしてくれるのか心配、余計にママの仕事が増えないか心配、と言う声があるんだ。実際、ある調査では育休を取っても1日の育児・家事時間が2時間未満だった男性が3割もいたんだ。(「パパママ育児への向き合い方と負担感と孤立感についての調査」2019年)
それでは反対意見が出るのも当然だね。育休期間は会社の仕事は休んで、家庭の仕事をする期間なのに、何もしないで本当に休んじゃったんだね。
そう。そもそも男性が育休を取っても出来ることはあまりないのではと誤解している人もいるしね。だから、育休取得対象者には、従業員とその配偶者にも参加してもらい「両親講座」などをする企業もあるよ。
配偶者も呼ぶの?
そう。絶対条件ではないけれど、出来れば配偶者も一緒に参加してもらい、産後の生活がどうなるのか、2人でどう育児家事をしていくのか、産後うつ防止対策などを一緒に学ぶことで同じ方向を向いて育休を過ごすことが出来るよ。
配偶者からの会社の評価もよくなりそうだね。他にはどう?
例えば、先進企業の積水ハウスやメルカリなどは、育休中の給与補填を保証しているよ。ただ、そこまでは出来る企業とそうでない企業もあると思うので必須ではないかも。
会社が男性育休を推進します!と言ってくれるだけでも雰囲気は変わりそうだね。
それも大切!男性育休を推進していくことを明確に発信していくことは重要だね。そしてもし、現場から、そうはいっても仕事はどうすれば?人員補充はないの?などの声が出てくるケースがあるよね。相談にのりながら出来る限り丁寧な対応も大切かも。以前、私が相談を受けた中小企業は、上司、育休取得者、管理部門、そして私も入って面談を実施。そこで仕事のこと、育休中の過ごし方、復職後のことなどを話す場を設けたことで、上司も取得者も不安が解消されていったんだ。そしてもし、そもそも働き方を変えていく必要がある職場は、本格的な働き方改革を進めていく必要があるね。
男性育休って声をかけるだけでなくて色々なことをしていく必要があるんだね。
今までのライフスタイルを変えるほどの大きなことだからね。別の記事でお伝えしたけれど、男性育休はそれでも必要なことだから、国や企業も取り組んでいるんだね。他にも色々と疑問や質問があるかもしれないけれど、その場合は気軽に相談してね。